クリント・イーストウッド監督40作目。『許されざる者』以来、共通の設定は、昔は凄かったが、今は大分くたびれている。実年齢とともに肉体の衰えを描く。『許されざる者」は、元非情なガンマン。『ミリオンダラー・ベイビー』は、元名トレーナー。『グラン・トリノ』は、元凄腕兵士。今作は、元ロデオ・スター、マイク・マイロ。ある日、マイクは元雇い主からメキシコに居る別れた妻から息子を連れてきてほしいと頼まれるが・・・。ひねたメキシコ人少年、闘鶏のマッチョ（これがタイトルの元！）のユニークな面々の旅はイーストウッド過去作の定番スタイル。さすがに老いを感じさせるが、チンピラを拳で一発ガツンと食らわしたり、馬に乗ったり、メキシコ女性とのダンスなど往年の面影をみる事ができる。そして、再生と安息が晩年イーストウッド映画の一貫したテーマだ。伝説をリアルタイムで観られるのは、幸運なことだ。

22/1/8(土)