ハリウッド映画の多くは、登場人物の数をグッと絞ることで、物語や人間関係を分かりやすく伝えようと腐心している。中にはロバート・アルトマンや初期のポール・トーマス・アンダーソンのように群像劇を得意とする監督もいるが、王道のパターンとしては主人公の男女を設定し、その友達的な存在を2、3名絡め、親や子供といった家族のサブプロットを足す。メインの人物が10人を超えることは珍しく、同時にメインプロットとサブプロットをどう上手く捌くかが脚本家の腕の見せ所となる。 『アリー／スター誕生』の特徴は、そういう定番パターンから完全に抜け出していること。この映画にサブプロットは存在しない。ほぼすべてのシーンがレディ...

18/12/17(月)