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水先案内人のおすすめ

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邦画も洋画もミーハーに、心理を探る作品が好み

伊藤 さとり

俳優や監督との対談番組を多数、映画パーソナリティ

17歳の瞳に映る世界

未成年の予期せぬ妊娠。アナタの娘がもしそうなったらどうしますか? 想像して欲しい。まだまだ未来を切り開く人生の途中で子供を育てることで教育も受けられず、夢を諦めることになるのだから。 アメリカでは宗教的な問題から人工妊娠中絶反対派も多く、最近までのトランプ政権による中絶禁止法のお陰でいくつかの州で合法化となってしまっています。レイプされた挙句、中絶したら犯罪になる。おかしな話です。 映画の主人公が住むペンシルベニアでは未成年者の妊娠の場合は両親の同意がなければ中絶手術を受けられない。日本では、基本的には同意書にパートナーのサインが必要。それでも10万前後という高額の費用がかかります。 エリザ・ヒットマン監督は、きっとそんな理不尽な法律に牙を向けるべく映画を生み出したのでしょう。妊娠させた男性が罪をかぶることなく、妊娠した女性が非難され、未来を遮断されそうになる社会はアメリカだけではなくここ日本でも同じ。 ベルリン国際映画祭銀熊賞(審査員グランプリ)を始め、多くの映画賞を受賞したのもこの問題に賛同する人々の拍手の証なのです。

21/6/24(木)

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