大阪の国立国際美術館からの巡回。大阪でも観たのだが、何度観てもいい。秋にはパリのポンピドゥーセンターでの展覧会も予定されているが、長崎にも巡回予定。展覧会も巡るが、本展は回顧展にふさわしく、ボルタンスキーの人生を巡るような構成になっている。昔から好きなので、世界各地でボルタンスキーの作品はみたことがあったのだが、大まかな時系列ごとに作品を追っていくと、氏が掲示する死生観というものが単体でみるのとは違った形でじわじわと浮きでてくる。ボルタンスキーが演出する見えない気配との対峙を味わう、まるで肝試しのような体験は、来るべき猛暑への備えとしてもいとおかしで、ひとつの夏の愉しみと言えるかもしれない。表参道のエスパス ルイ・ヴィトン東京であわせて開催されている『Animitas II』も必見。鳴り響く風鈴を味わうのに、自然光が入る時間がオススメです。

19/6/30(日)