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水先案内人のおすすめ

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ホラー、ミステリー、トンデモ映画が大好物

春錵 かつら

映画ライタ―

ハッピー・デス・デイ

目覚めた今日は憂鬱な誕生日。彼女はまた“今日”を過ごす。心底ウンザリしながら。 冒頭に現れるパリピで自己チューのイマドキ女子大生は、さっさと1人目の犠牲者になる。……ホラー映画定番のプロローグだ。よくある“リア充爆発系ホラー”と思い始めた瞬間、観客は肩すかしを食らう。どうやら主人公はこの殺された自己チュー女らしい。これまたよくある“ループ系ホラー”だと舐めてかかっても、きっと痛い目に遭う。でも多くのホラーファンにとっては“嬉しい痛い目”に違いない。私も含めて。 ヒロインのツリーは、友人の男とキスはするわ、不倫はするわ、ルームメイトの好意を踏みにじるわ、身勝手尽くしのいわゆる“ビッチ”な女子大生。彼女は誕生日の夜に何者かに殺されて、目覚めると再び誕生日の朝を迎える。それからは殺されるたびに誕生日の朝に戻ってしまい、どうにかその日を生き延びてそのループから脱出しようと奮闘する姿が本作では描かれる。 彼女が犯人を特定しようと試みる“命がけの消去法”のシークエンスは実に爽快。特に面白いのは、観客はこのビッチなヒロインに気づけば好意を持ち始めているということだ。幾度となく死を繰り返して彼女は真相に迫って行くが、同時進行で観客も彼女の本質に迫って行く。 本作の心臓である“ツリー”を演じたジェシカ・ロースに拍手を送りたい。

19/6/26(水)

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