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水先案内人のおすすめ

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木谷 節子

アートライター

リニューアル・オープン記念展 Ⅱ 日本美術の裏の裏

「生活の中の美」をテーマに、サントリー美術館が築きあげてきたコレクションの魅力を、あますことなく紹介している展覧会。実際に庭の木にかけて楽しんだかもしれない(?)応挙の《青楓瀑府図》にはじまり、江戸時代のお姫様や豪商の娘さんたちのステータスだった七澤屋の雛道具、見る角度で景色や印象が次々と変る焼き物など、日本人が実際に手にとり、使い、愛でてきた美術品を、カジュアルな語り口でわかりやすく解説する。日本人の美意識や好みなど、文化的背景や心の部分にまで踏み込んで紹介しているのが面白かった。たとえば室町時代に作られた《かるかや》は説経節を原作にした絵本だが、ヘタウマというか、素朴というか、素人がただ表現することへの情熱だけで描いたような微笑ましい冊子である。しかしその無邪気さや純粋さに価値を認め、現代まで受け継いできた人々の気持ちもまた嬉しい。西洋の芸術を鑑賞する時とは違った自由さや心地良さを感じるのは、私もまた遺伝子レベルで彼らと同じ感性を持っているからだろう。

20/10/17(土)

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