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ドキュメンタリーの面白さを知ると映画の見方が変わる
村山 匡一郎
映画評論家、大学講師
きみが死んだあとで
21/4/17(土)
ユーロスペース
半世紀以上前の1967年10月8日、羽田空港近くで“佐藤首相南ベトナム訪問阻止闘争”に呼応する新左翼系の学生部隊が機動隊による阻止線の壁に挑んだ。そんななか、弁天橋で中核派の京都大学生・山崎博昭氏の死が報じられた。この当時はヘルメットにゲバ棒という全学連スタイルはまだ見られず、この10・8闘争が新左翼諸党派の武装闘争への大きな転機となった。このドキュメンタリーは上下2部から構成され、上巻では山崎氏の人生に焦点を当て、下巻では山崎氏の大手前高校の同級生をはじめ、彼の死に衝撃を受けた先輩や周囲の人々のその後の思いと生き方を、インタビューを軸に描いている。歴史には個人の生き方が埋められており、本作を観ながら心の疼きを覚える“団塊の世代”も多いのではないか。
21/4/5(月)