恥ずかしい話、50歳を越えて、老眼がひどくなった。離せば、見える、というけれど、離しても見えない。だから、楽しかった読書が苦で苦で仕方ない。電子書籍は読むものの、リアルな本はほとんど開かなくなった。でも、ページをめくるって、いいですよねぇ。そんなミステリーのページをめくる時のワクワクする気持ちをもう一度味わいたい。そんな同輩は少なくないはず。 ありますよ、そんな映画が！　本作はアガサ・クリスティーが手掛けたような本格ミステリー。一財産を築き上げたミステリー作家が85歳の誕生パーティーの翌日、遺体となって発見された。ナイフで首を切って、自殺を図った。捜査はそういう見立てだった。しかし、匿名の電話で仕事の依頼を受けた私立探偵が独自捜査を開始。怪しいのはパーティーには遺産相続の権利を持った身内たち。しかも、どうやら、みんなワケありだ。 いかにも、クリスティーが作りそうな筋立て。原作があるのか、と思いきや、映画オリジナル。監督・脚本は『スター・ウォーズ／最後のジェダイ』のライアン・ジョンソン。『最後のジェダイ』はイマイチだったが、こちらは面白い！　しかも、出演者が豪華。探偵役の『007』シリーズのダニエル・クレイグを始め、クリス・エヴァンス、ジェイミー・リー・カーティス、マイケル・シャノン、ドン・ジョンソン、トニ・コレット、クリストファー・プラマーという布陣。 ジョンソン監督はまさに「クリスティーの推理小説のような映画を」と本作を企画。さまざまなミステリー映画を研究した、とか。本作は第92回アカデミー賞の脚本賞にもノミネートされている。観て絶対、損はありません。というか、観ないと損ですよ！

20/1/28(火)