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水先案内人のおすすめ

評論家や専門家等、エンタメの目利き&ツウが
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洋画、邦画、時々アニメ 映画で人生が変わります

堀 晃和

ライター&エディター。記者歴27年、元産経新聞文化部長。映画と音楽と酒文化が守備範囲。

燃えよ剣

国民作家・司馬遼太郎の小説で、『燃えよ剣』を一番に挙げる人は少なくないだろう。新選組副長の土方歳三の生涯を描く傑作長編。原田眞人監督は高校生の時にこの作品に出合い、新選組と土方に魅せられたのだという。 原田監督の演出の特徴は、登場人物一人一人が、際立って描かれる点だ。観客は、人物の魅力に強く惹かれ、結末を知っているのに再び作品を観返したくなる。スクリーンを通じて、そのお気に入りの人物がまるで自分の長年の知己のような親近感をもって胸の奥に入ってくるからだ。つまり、また会いたくなる。 土方を演じるのは岡田准一。2017年の司馬原作『関ケ原』に続く原田作品への主役での出演だ。観ていると、土方役は岡田以外に考えられなくなってくる。男振りの良さ、凄み、何よりも熱気がすさまじい。 「男の典型を一つずつ書いてゆきたい」。司馬は小説家になった動機をこう表現している。映画『燃えよ剣』の最大の見所はラストシーンだろう。「男の典型」を原田監督がどう描いたか、注視してほしい。 司馬は小説『竜馬がゆく』の長いあとがきを、「余熱を散じたいがため」と前置きした上でつづった。この水先案内文も、映画を観た後の「余熱」が書かせている。

21/10/14(木)

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