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ノージャンル、ノーボーダー。個人的アンテナに引っかかるもの

佐藤 久理子

パリ在住、文化ジャーナリスト

ワイルドライフ

『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』『リトル・ミス・サンシャイン』で知られる性格俳優、ポール・ダノの長編監督デビュー作である本作は、あまりに素晴らしすぎて完全降伏である。 50年代のアメリカで、理想的な家族像を求めて壊れていく過程を、14歳の少年の視点から捉えた本作の、切なさと悲しみと愛情の混じり合った、このなんとも言えない余韻。やる気はあるのにことごとく空回りしてしまう父(ジェイク・ギレンホールが泣ける)と、彼を愛し懸命に支えようとするも差し迫る困難によろける母(キャリー・マリガン)。そんな彼らを不安げに見つめ、自分の無力に打ちのめされる息子。映像美、カメラワークも秀逸で、この色味、物悲しさに、思わず画家エドワード・ホッパーの世界を彷彿させられた。

19/7/6(土)

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