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浦島茂世
美術ライター
マーク・マンダース —マーク・マンダースの不在
21/3/20(土)~21/6/22(火)
東京都現代美術館
オランダで生まれ、現在はベルギーに制作拠点を置くマーク・マンダース。彼は18歳のときから「建物としての自画像」をコンセプトに、彫刻やドローイングを制作している。本展は東京都現代美術館のワンフロア全体を一つの作品とし、鑑賞者はフロアを回遊し、各場所に点在する彫像やドローイングを見て全体を掴み取っていくというもの。彼の彫刻作品は顔の一部が板に挟まれていたり、いまにも崩れそうだったりと、どこかが欠けていて非常に不穏。そして会場内の静謐な雰囲気と相まってあたりにはとてつもない緊張感が漂っている。でも、この緊張感がしばらく鑑賞していると快感に変わっていくからおもしろい。作品と静寂だけでこんなにピリついたムードを作り出せるなんて…。同時開催されているライゾマティクス展とあわせて見ると、さらに緊張感を楽しめるはず。
21/4/17(土)