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水先案内人のおすすめ

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ダメな人が出てくる情けない話やバカげた映画を中心におススメ

村山 章

映画ライター

アマンダと僕

昨年の東京国際映画祭でグランプリに輝いた『アマンダと僕』と、同じミカエル・アース監督の前作『サマーフィーリング』が、わずか2週間の間隔で続けて日本で劇場公開される。 配給会社が異なるのでおそらく“たまたま同時期になった”だけなのだろうが、この2作品は実は同じモチーフの変奏曲とでもいうべき、双子のような作品。『アマンダと僕』は、テロ事件で突然姉を失った青年が、姉の娘アマンダの世話をしながら喪失感に向き合う。『サマーフィーリング』では、恋人が突然死してしまった青年と、恋人の妹が喪失感と向き合うさまを描いている。テロと病気、大切な人を失う理由は異なるものの、どちらの作品でも、ミカエル・アースは“死”そのものを描くのではなく、死の周囲にいる人々の日常を静かに綴っているのだ。 テーマもアプローチも演出スタイルも似ているからこそ、この2作の微妙な差異には多くのことを気づかせられ、そして考えさせてくれる。そして自分自身がどんな映画を好み、何を望んでいるのかも浮き彫りになるような気にさせられるのだ。ひとりの映画作家による2作品が立て続けに観られるからこそ得られるこの貴重な体験を、多くの人にも共有して欲しいと願っています。

19/6/23(日)

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