東京だったら、たいていの街は知ってるし、端から端までとは言わないまでもおそらくほとんどの電車には乗ったことがあるんじゃないかと思う。でも、中野正貴さんの撮る東京はまさしく東京ではあるのだけれど、けっして見たことのない東京であることに驚く。こんな密々の街なのに人っ子一人いない東京を撮っていたり（もちろん、CGとかデジタル修正とか、超長時間露光ではない）、誰かの家や会社から見えるとんでもない風景が見えたり（たとえば、目の前に浅草吾妻橋アサヒビール、フィリップ・スタルクのフラムドールがド〜ンとある）、川や運河からのローアングルの目線を持ったり。これらの写真を見なかったら、かなり精通してるつもりのこの街のこんな表情は知らないままでした。大判カメラで撮影した大伸ばし写真の迫力もすごい。ありがとう。

19/12/15(日)