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ジャンルを問わずグッときたものをオススメ

浦島茂世

美術ライター

電線絵画展-小林清親から山口晃まで-

昨今は「良い景観」の敵とみなされ、都心や観光地では地中化されてしまうこともある電線や電柱・電信柱。けれども、かつては近代化の象徴として、これらにときめきを覚える人たちも多かったのだ。 この展覧会は、そんな電線と電柱(電信柱も)をモチーフにした展覧会。よくもまあ、こんなにたくさん集めたな! と感動を覚えるほど展示室内は電線だらけ。小林清親ら新版画に描かれた電線の美しさ、岸田劉生が描いた代々木や鵠沼の電柱の凛々しさ、電線・電柱への愛が強すぎて抽象画のようになってしまっている朝井閑右衛門の偏執的愛情作品など(山口晃が持つ電柱への愛情と比べて考えるとすごく面白い)さまざまな角度の電線・電柱を見ることができる。 特に感動したのは、電柱と電線の間に必ず設置する絶縁体“碍子”の展示手法。ガラスケースのなかに上品に並べられた碍子たちは、まるで茶道具のよう。まさに「用の美」とはこのことか〜と感動しきり。

21/3/6(土)

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