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水先案内人のおすすめ

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エンタテインメント性の強い外国映画や日本映画名作上映も

植草 信和

1949年生まれ フリー編集者(元キネマ旬報編集長)

アドリフト 41日間の漂流

『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』『キャスト・アウェイ』『白い嵐』など、〈漂流映画〉にハズレは少ない。41日間のヨットの漂流を描いた本作もその例外ではなかった。 1983年、婚約したばかりのタミーとリチャードは大型ヨットに乗り込み、タヒチからサンディエゴへと出航。ところが出発から2週間後、記録的なハリケーンに遭遇し、巨大津波に飲み込まれてしまう。船室で気を失っていたタミーはしばらくして目を覚ますが、ヨットは操縦不能で無線も繋がらない。さらに、大怪我を負い荒海に漂うリチャードを発見する。彼を救助したタミーは、極限状態の中、セーリングの知識を総動員し、陸を目指すが…。CGを極力排した津波に翻弄されるヨットのシーンと、41日間のヒロインのサバイバル生活が見どころだ。 タミーを演じたのは『ダイバージェント』シリーズのシャイリーン・ウッドリー。製作陣にも名を連ねる彼女の、強風、豪雨、高波という絶体絶命の状況下で奮闘する体当たり演技が素晴らしい。監督・製作は、実際に起こった集団遭難事件を映画化した『エベレスト 3D』のバルタザール・コルマウクル。2002年に出版された手記を基にした本作でも、その圧倒的なリアリティ描写は顕在だ。ゴーギャンが魅せられた南海の楽園タヒチの秘境、夕陽の美しさも堪能できるというオマケまでついた〈漂流映画〉としておススメしたい。

20/6/11(木)

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