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水先案内人のおすすめ

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テレビプロデューサー テレビは見ずに演劇、映画、コンサートばかり足を運んでいる

波多野 健

1954年生まれ プロデューサー(イースト・エンタテインメント)

ジョーカー

スタッフ・クレジットにプロデューサーとしてブラッドリー・クーパーの名前があったので「あれ?」と思ったが、監督も撮影も「ハングオーバー!」の人だった。しかし、同じ人が撮ったとは思えないほど、この映画は重く、哀しい。『バットマン』の“ジョーカー”がなぜジョーカーになったのか、という話なのだが、ホアキン・フェニックスがそれをありえないほどシリアスな演技で傑作に仕上げていく。特に彼が“踊る”シーンの美しさ、哀しさは素晴らしい。プロダクションノートによると撮影監督も彼がどんな動きをするかわからなかったという。すべてを画コンテで決め込んで作っていくアメリカ映画(特に『バットマン』などの映画はそうだ)の中で、異様な緊迫感がこの映画にあるのは、フェニックスのその瞬発力と意外性なのかもしれない。今まで異常者を多く演じてきたデ・ニーロがかすむほどの、ホアキン・フェニックスのすごさが、観るものを震撼させる。ものすごく、お薦めです。

19/10/1(火)

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