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映画史・映画芸術の視点で新作・上映特集・映画展をご紹介

岡田 秀則

1968年生まれ、国立映画アーカイブ主任研究員

寝ても覚めても

フィクションと実人生の境界を突き崩す映画、と言っても誰かの言葉の焼き直しになってしまいそうだ。だが『ハッピーアワー』を観てしまった時の、自分がこの登場人物たちと同じ空気を吸っているような感覚は、映画にはまだやり残されたことがあるという事実を久々に突きつけてくれた。 濱口作品では、撮影の前に、出演者が台本を通しでわざと棒読みする過程があるという。感情を入れずに読むことで、演者はそれぞれの「人物」を取り込んでゆく。これは、実はジャン・ルノワールが実践していた本読みの技法に近いのでは? カンヌも驚かせた濱口映画の独創性は、映画史のそんな無比の古典からも力強く摂取しているのかも知れない。初期作品から...

18/8/28(火)

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