捕虜時代にゴールキーパーの才能が認められたことで戦後、サッカーの名門「マンチェスター・シティFC」に入団。かつての敵、英国に受け入れられていくナチス兵士バート・トラウトマン（デヴィッド・クロス）の実話が進行する。サッカーの才能と真面目な人柄で成功する男のドラマで、彼の戦争中の上官の残虐行為と彼自身の最愛の息子の悲劇が重なって影を落とすのを見ると、ただの実話の映画化に終わらない痛みがあり、作り手の誠実さを感じさせられる。その一方で気になったのは、バートの顔。どこかで見た？・・・そうか、『愛を読むひと』（08年）でケイト・ウィンスレットに愛されたあの男の子だ！　ナチスが絡む映画は決してなくなることがない、とあらためて思う。

20/10/20(火)