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高橋 諭治

映画ライター

キャンディマン

鏡の前で「……キャンディマン」と5回呟くと、恐ろしい鉤爪の手を持つ魔物が現れる。そんなクライブ・バーカー原作の都市伝説ホラー『キャンディマン』(1992年/バーナード・ローズ監督)のリメイクかと思いきや、さにあらず。同作品への敬意を示し、その後の物語を紡いだ正統なる“続編”である。 1992年版では米シカゴの荒廃した低所得者向け公営住宅が舞台だったが、この2021年版では高層ビルや高級住宅が建ち並び、街の景観が一新されている。製作、脚本を手がけたジョーダン・ピールと新進女性監督ニア・ダコスタは、実在するロケーションの再開発による変化を取り込み、今なおそこにくすぶり続けるキャンディマンの新たな呪いを描いた。 1992年版における主人公ヘレンの悲劇が、劇中で“都市伝説化”しているというアイデアも面白い。人種差別テーマをより鮮明に打ち出し、鏡などのアイテムを用いた先鋭的な恐怖描写も満載。1992年版をチェックしたうえでの鑑賞をお勧めする。

21/10/14(木)

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