Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

水先案内人のおすすめ

評論家や専門家等、エンタメの目利き&ツウが
いまみるべき1本を毎日お届け!

エンタテインメント性の強い外国映画や日本映画名作上映も

植草 信和

1949年生まれ フリー編集者(元キネマ旬報編集長)

FRIDAY

岩手県一関市のジャズ喫茶ベイシーとそのマスターの菅原正二を追った『ジャズ喫茶ベイシー Swiftyの譚詩(Ballad)』に続いて、横浜・長者町のライブハウスFRIDAYとそのマスターの磯原順一を描いた『FRIDAY』が公開される。共に音楽好き、音響マニアにはたまらないドキュメンタリー映画だ。 ベイシーには行ったことはないが、FRIDAYにはなかの綾のファンだった知人に誘われて3度行った。熱唱するなかの綾、狂喜する観客、ニコニコと見守るマスターの磯原順一。〈三位一体〉感が忘れられない3夜だった。 FRIDAYは神奈川県横浜市中区長者町で40年続く老舗ライブハウス。客席数わずか50席ほどだが、クレイジーケンバンドが無名時代から出演しブレイクを果たした現在も毎月のようにライブを行っていることでも広く知られている。 本作では80歳になるマスター磯原順一の日常とミュージシャンたちの交流が描かれ、磯原の笑みをたやさない豊かな人間性が観る者を幸せにしてくれる。辛かった過去も語られるが、音楽によってそれを乗り越えた人間だけが持つ幸福感。 そのオーラが映画を豊かなものにしているのだ。その幸福感は『ジャズ喫茶ベイシー』の菅原正二が醸し出す雰囲気とどこか似ている。 本作に登場するのは横山剣、翔、山崎廣明、ムッシュ吉崎、近田春夫、宇崎竜童、なかの綾、深町栄、山崎廣明、村田匠。片岡孝夫、大石吾朗、南條倖司など。彼らへのインタビュー、ライブ映像が中心だが、磯原を慕う言葉の数々が胸を打つドキュメンタリー映画だ。

20/10/21(水)

アプリで読む