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歌舞伎とか文楽とか…伝統芸能ってカッコいい!
五十川 晶子
フリー編集者、ライター
9月文楽公演
18/9/8(土)~18/9/24(月)
国立劇場 小劇場
嫁と姑は仲が悪いのが相場だが、では婿と舅は?『夏祭浪花鑑』は歌舞伎でもおなじみの演目。蒸し暑い浪花を舞台に、血気盛んな男伊達とその女房たちの心意気が描かれる。 主人公は魚売りの団七九郎兵衛。その女房の父・三河屋義平次が実にまあ憎たらしい。団七に対して散々に悪態をつき、雪駄で団七の眉間を割る。「相手は舅」とぐっとこらえる団七。お客が「いてこましたれ!」と団七に肩入れしたくなる場面だ。ついに団七は「是非に及ばぬ、毒喰らわば皿」と義平次を刺し殺してしまう。団七の人形は、髪はざんばら、青い彫り物に赤い締め込みが鮮やかで手足も長いため、立回りや見得がひときわ映える。義平次の方は肝臓でも悪いのかと思うほ...
18/8/25(土)