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水先案内人のおすすめ

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エンタテインメント性の強い外国映画や日本映画名作上映も

植草 信和

1949年生まれ フリー編集者(元キネマ旬報編集長)

日活戦後製作再開65周年記念 スクリーンの青春 日活女優図鑑

『白夜の妖女』10/19〜10/25 神保町シアター 「日活戦後製作再開65周年記念 スクリーンの青春 日活女優図鑑」(10/5〜11/8)で上映 原作は泉鏡花の『高野聖』。鏡花の代表作のひとつだから原題名をタイトルにした方が知名度高く通りがいいと思うのだが、敢えてそうしなかったのは、 “妖女”月丘夢路ありきで作られたからだろう。 「美貌と妖艶の女優」、それが月丘に対する大方のイメージかもしれないが、筆者にとっては木下恵介監督『二十四の瞳』での同窓会のシーンで『浜辺の歌』を歌うマスノ役の方が印象深い。老いた高峰秀子が、教え子の月丘が歌う『浜辺の歌』を聴きながらボタボタと涙を流すシーンは、以降、何度見ても涙腺が緩む。 だが、月丘は松竹から日活に移籍して主演した『あした来る人』(川島雄三監督)『月蝕』(井上梅次監督)から妖艶さを増し、『白夜の妖女』(滝沢英輔監督)では、イメージを一新。劇中で「あんな綺麗な女に可愛がってもらったら何されてもけっこうだ」と男に言わしめる、まさに“妖女”に変貌していた。 月丘に悩殺される青年僧(名優・滝沢修が演じている大僧正の若き日という設定)に、当時、『乳房よ永遠なれ』(田中絹代監督)『美徳のよろめき』(中平康監督)などで月丘の相手役が多かった葉山良二。彼女に愛される青年に相応しい、二枚目ぶりを発揮している。

19/10/17(木)

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