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演劇鑑賞年間300本、記者歴40年のベテラン

大島 幸久

演劇ジャーナリスト

加藤健一事務所『ドレッサー』

演劇人なら観た人は必ず魅了され、また演劇人なら必見の作品が『ドレッサー』だろう。イギリス人の劇作家ロナルド・ハーウッドの傑作戯曲。主役の老座長、そして付き人(ドレッサー)のふたりは俳優はなぜ演じるか、演じる欲望が生まれるのか、演技をする意味とは何かを問い詰めていく――。 これまで三國連太郎の座長、加藤健一のドレッサーのコンビ、また、橋爪功、大泉洋の組み合わせなどで上演されてきた。第2次世界大戦下のイギリス。旅回りのシェイクスピア劇団が『リア王』の幕を開けようとしている。ところが劇団内は、楽屋裏では大問題が起きていた。老座長が舞台に出ようとしないのだ。その理由、背景が身に詰まされる。取り分け、老いに迫られた世代なら余計、そう思わせる。時に弱気になり、また時に狂気の精神になる。その老優を励まし、叱咤し、だが肚には別の感情を抱くドレッサー。ふたりのやり取りは演技合戦になる。 加藤健一の老座長、加納幸和のノーマンは2018年に上演して以来。座長夫人が西山水木、舞台監督マッジが一柳みる。演出は鵜山仁。東京公演が1日中止とは残念だ。

21/2/20(土)

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