マイケル・ムーアの新作はドナルド・トランプのトンデモナイ悪行の数々を暴露するプロパガンダかと思いきや、開票前にトランプ勝利を予言したムーアらしく、この稀代のホラ吹き、香具師がまんまと大統領と成りおおせた背景を、あの手この手、派手なメスさばきで、アメリカの病巣を抉るように摘出してみせる。予備選でいくつかの州で勝利した過激なバーニー・サンダース候補を排除し、ヒラリーを選んでしまった民主党首脳部の根深い腐敗ぶりは、共和党の弛緩した混乱ぶりと瓜二つのように映るのだ。 後半、唐突にトランプとヒットラーを安易に同一視する、強引かつ大雑把すぎる手法は相変わらずだが、ムーアの故郷フリントで起きた、民営化の一...

18/10/29(月)