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水先案内人のおすすめ

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歌舞伎とか文楽とか…伝統芸能ってカッコいい!

五十川 晶子

フリー編集者、ライター

歌舞伎座『十月大歌舞伎』

第三部『梶原平三誉石切』 歌舞伎では敵役となることの多い梶原平三景時。鎌倉幕府では源頼朝より信任厚い能吏として活躍し、軍目附としても源義経の行状や戦況について讒言したとされ、ほかの御家人たちからも恐れられていた……などなど。九月の『寿曽我対面』でも梶原親子は敵役の役柄だ。 一方で、『義経千本桜』の「すし屋」では、教養と情に厚い人物としての一面が描かれている。今月の『梶原平三誉石切』でも、刀の目利きであり、腕も立ち、知勇に優れた人物として描かれる。行いも弁舌も爽やかに正義を見極める文字通り「捌き役」としても代表的な役だ。歌舞伎の役柄の中でそういう役どころを表現する鬘「生締」の典型でもある。 平家方の武将が鶴ケ丘八幡宮に参詣する中、源氏方の六郎太夫と娘の梢がやってくる。刀を買ってもらおうというのだ。梶原は刀の鑑定を頼まれ、その刀が名刀であるという。「二つ胴」という二人の罪人を重ねて斬る方法で斬れ味を試そうとするが、死罪人が一人足りず……。 片岡仁左衛門が梶原平三景時、片岡孝太郎の梢、坂東彌十郎が大庭三郎景親、中村歌六が青貝師六郎太夫。 第一部は中村芝翫の左甚五郎『京人形』、第二部松本白鸚の濡髪長五郎で『双蝶々曲輪日記 角力場』、第四部映像×舞踊 特別講演、坂東玉三郎の『口上』『楊貴妃』。 余談だが、9/18にはイベント人数の規制緩和について発表がされ、従来の入場人員数の50%以下という規制が解除された。しかし松竹は当面の間は、従来の50%の座席使用を維持し、引き続き感染対策を実施すると発表。何しろ歌舞伎ファンには年配が多い。不便もあるが、無理せず、慎重に徐々に従来の状況へと戻していく姿勢はありがたい。

20/9/25(金)

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