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笠井 信輔
1963年生まれ フリーアナウンサー
BLUE/ブルー
21/4/9(金)
新宿バルト9
『あゝ、荒野』『アンダードッグ』につづくボクシング映画の力作がまたも誕生! しかも主人公(松山ケンイチ)がこんなに弱いプロボクサーの映画を観た記憶がない。にもかかわらず、「再生」や「復活」が物語のキーになっていないのが新しい。 物語は努力しない天才ボクサー(東出昌大)、女にモテたいから入門した不純なボクサー(柄本時生)、あわせて3人のそれぞれの闘いが並行的に描かれる。さらに弱い松山と強い東出の間で心が揺れるヒロイン(木村文乃)が、エモーショナルな彩を加えてなかなかいい。 吉田恵輔監督はボクシング歴30年。満を持してのメガホンに、虚構の面白さではなく、プロがうなるようなリアルエピソードをちりばめて、心に響くボクシング映画を撮り上げた。
21/4/4(日)