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水先案内人のおすすめ

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洋画、邦画、時々アニメ 映画で人生が変わります

堀 晃和

ライター&エディター。記者歴27年、元産経新聞文化部長。映画と音楽と酒文化が守備範囲。

男と女 人生最良の日々

優れた恋愛映画には印象的な車のシーンがある。お互いの吐息が感じられるような親密な空間で、男女がシートに身を沈め、同じ方向を見つめて語り合う。パリとノルマンディーを車で往復する様子を描いた『男と女』(1966年・仏)も、そんな映画史に残る恋愛映画の傑作だった。 あれから半世紀。2人のその後を『男と女』の名シーンも織り交ぜて描いたのが本作だ。クロード・ルルーシュ監督(82)をはじめ、ジャン=ルイ・トランティニャン(89)とアヌーク・エーメ(87)の主演2人も当時と同じ。音楽もフランシス・レイ(2018年に86歳で死去)。「ダバダバダ」でおなじみの曲も流れる。現在と過去が交錯する映像が美しい。 施設で余生を送っていたジャン・ルイ(トランティニャン)のもとに、かつて愛を確かめあったアンヌ(エーメ)が訪ねてくる。気づかないジャン・ルイを連れ出し、アンヌが車で向かったのはあの思い出の地だった…。 1976年にルルーシュが撮った短編『ランデヴー』(約8分30秒)がほぼ全編、挿入されているのも見所だ。そして本作はエンドクレジットが終わるまで決して席を立ってはいけない。最後の「奇跡」を見逃すことになるからだ。

20/1/30(木)

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