今年でバンド結成10周年を迎えるパスピエが最新作『more humor』をリリースし、それにまつわるツアーを6月12日の東京・渋谷WWWからスタート。ファイナル公演となる7月15日の東京ZEPP TOKYOまで、全国9都市10箇所を回るツアーを行う。 フル・アルバムとしては、前作『&DNA』からおよそ2年ぶりの通算5枚目となる『more humor』。ニューウェイヴやテクノを取り入れたバンドサウンドと、「和」を感じさせるオリエンタルなメロディ、大胡田なつきによるキュートなボーカルという、従来の「パスピエ・ワールド」は健在ながら、フランク・オーシャンやフューチャーあたりのローファイ〜オルタナR&Bにも通じるような楽曲『ONE』など新たな試みにも果敢に挑戦。敢えて抑制的に歌い、オケとなじませることによってボーカルを「アンサンブルの一部」として機能させるミックスバランスなど、バンド結成10周年を飾るにふさわしい意欲作に仕上がっている。 一聴するとポップなのに、プログレッシヴかつエクスペリメンタルな音楽性。デビュー以来、一貫した彼らのジャンルレスなスタイルに、時代が追いついた感もあり。令和の新時代とともにスタートする、パスピエの新たな幕開けをこの目で目撃したい。

19/6/2(日)