子供たちはみな天使だ。とりわけ、サンタクロースを信じる子供の、無垢なことといったら……って、ノンノンノン！！！中にはいるんですよ、サンタを信じる凶悪なガキんちょが。 クリスマスの朝、目覚めてワクワクしながらプレゼントを開けたら、「これじゃなーい！」。本作は、そんな“クリスマスあるある”でキレた少年がサンタを逆恨み、殺し屋を雇ってサンタの暗殺を企てるファンタジー（⁉）サスペンスだ。そのサンタクロース役がメル・ギブソンとあっては、ただ者じゃないに決まってる！ サンタは良い子にしかプレゼントをあげず、悪い子には石炭を贈るという。良い子が減ったこの時代でプレゼントの生産量も減り、おまけに今度は子供が雇った殺し屋に命を狙われる始末。サンタも今や射撃や肉体の鍛錬や金策なくして世をサヴァイヴできない。副業に加え、働き方改革の問題も。ああ、なんてきな臭く、世知辛いの。 しかし誰もがみんな子供だった。サンタは全部知っている。その大人がかつて、良い子だったか悪い子だったかを。みんなの悪事を見張っているのだ。だから良い子でいましょうね。世を憂えるサンタの抑止力は、果たしてより良き大人を育てるだろうか。明るい未来を生むだろうか。

21/9/25(土)