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水先案内人のおすすめ

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巨匠から新鋭まで、アジア映画のうねり

紀平 重成

1948年生まれ コラムニスト(元毎日新聞記者)

1秒先の彼女

『熱帯魚』や『ラブ ゴーゴー』で台湾青春映画の名手であることを強く印象付けたチェン・ユーシュン監督が、今度はラブストーリーにミステリーとファンタジーを掛け合わせたような作品を撮りあげました。 郵便局で働くシャオチーは、仕事も恋も見栄えしないとため息をつくアラサー女子ですが、彼女には何をするにもワンテンポ早いという個性があります。ある日、イケメンのダンス教師とバレンタインのデートを約束しますが、期待に胸膨らませて起きてみるとなぜか時は翌日。彼女は衝撃を受けながらも消えた1日を探しはじめます。カギとなるのは毎日郵便局にやってくるバスの運転手グアタイなのでしょうか。シャオチーとは逆に人よりワンテンポ遅いのが彼の特徴。波長の合いそうもない二人が見た奇跡のような真実とは。 前半はシャオチーの、後半はグアタイの目線で見せていくという構成が作品に奥行きを与えています。また、終わりに向けさまざまな伏線を回収していく展開により、楽しさも倍増です。さらにシャオチーが写真館で見つけた自身の写真。韓国映画『怪しい彼女』で写真館が事態を動かす大事な磁場だったことを思い起こさせます。もしかしたら『怪しい彼女』へ捧げたオマージュなのかもしれません。さまざまなジャンル映画のエキスを溶け合わせたような本作。映画の中にも出てくる台湾スイーツ「豆花(トウファ)」のように味わってください。

21/6/19(土)

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