マーティン・スコセッシとロバート・デ・ニーロが22年ぶり、9回目のタッグになる新作は本格マフィア映画。デ・ニーロ演じる実在のアイルランド系殺し屋フランク・シーランの回想が基になったアメリカ社会の血塗られた裏面史だ。ここでデ・ニーロとがっぷり四つに組んだ共演を見せるのが1975年に謎の失踪を遂げた全米タクシー運転手組合の委員長ジミー・ホッファを演じるアル・パチーノ。かつて、ともに大物演技派二人の初共演を売り物にした『ヒート』（95年）があったが、共演が泣くすれ違いの連続。でも今回は本格共演。フランクには父の凶暴さを見抜いて嫌っている娘がいるのだが、彼女が大好きなのがホッファだった、と皮肉もきいている。

19/11/14(木)