20世紀ロシアを代表する作曲家のひとりアラム・ハチャトゥリアン（1903-1978）といえば、近年、フィギュアスケートの浅田真央さんがフリースケーティングで使用した『仮面舞踏会』の優雅なメロディによって広くその名を知られた存在だ。その彼の代表作『剣の舞』の誕生に至る逸話を描いた映画『剣の舞　我が心の旋律』の焦点は、旧ソ連の過酷な体制下を生き抜く音楽家たちの姿だ。同時代の大作曲家ショスタコーヴィチや20世紀を代表するヴァイオリニスト、オイストラフとの友情を軸に展開される物語は、既存のハチャトゥリアンのイメージを一変させること間違いなし。そして“彼の音楽をもっともっと聴いてみたい”と思わせるに違いない。

20/8/5(水)