ココ・シャネルといえば、伝説的なファッションデザイナーであり、世界で最も売れたといわれる香水「シャネルの5番」を世に出した女性でもあります。 しかし彼女には、第二次世界大戦中、ドイツのスパイだったという疑惑と汚名が着せられます。果たして真実の彼女は、どんな存在だったのか。87年間の彼女の人生を圧縮して描いたドキュメンタリーです。 フランスの片田舎で生まれた貧しい少女は、家政婦やお針子の仕事をしながら野心を燃やし、金持ちの男性をパトロンとして全く新しいファッションを世に送り、一代にして大金持ちとなります。すると、今度は自身がパトロンになって、才能のある男性たちを世に送り出します。 彼女が作り出したファッションは、華美を捨て、無駄のないシンプルなデザイン。それがパリの社交界でヒットし、評判は海を越え、アメリカでもイギリスでも人気となります。 しかし、ドイツの敗北で戦争が終わると、スイスに謎の亡命。その後、70歳にして再デビュー。再び旋風を巻き起こします。彼女を駆り立てたものは何だったのか。 それは、“女性たちの自由”への渇望だったように思えます。

21/7/15(木)