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ギャラリーなどの小さいけれども豊かな展覧会・イベントを紹介します

白坂 由里

アートライター

開館30周年記念展 ふたつのまどか ―コレクション×5人の作家たち

美術館の本領であるコレクションを新たな切り口で見せる展覧会が増えている。なかでも、コレクションと現代作家のふたつのまどか(円)の重なりあいを見せるこの展覧会は秀逸だ。福田尚代×ジョゼフ・コーネルに始まり、野口里佳×ジョアン・ミロ、渡辺信子×エルズワース・ケリー、杉戸洋×ラリー・ベル、さわひらき×サイ・トゥオンブリーの5組で各部屋を構成。コレクション側を美術史上の海外作家に、読み解く側を日本人の現代作家に統一した、この距離感が功を奏した。5人の現代作家の作品空間は、5人の先達への手紙のようだ。 写真家の野口は、今展に抜擢される前からマヨルカ島にあるミロのアトリエを訪れており、その壁に残るドローイングの“続き”を描いた。また、野口が撮影した、重力と戯れ線を描くアオムシの映像を見つつミロの絵画を見て、ミロもこんなふうに自然を観察し宇宙を感じて抽象画を描いていた気がしてくる。 また、左から右へ何本か線を描いたトゥオンブリーの絵画とブロンズ彫刻に対して、さわの幻想的な映像空間が広がる。二度と戻らない時間と、ループする時間。こうした時間表現は、福田による、小さくなった消しゴムの粒子や回文などの作品群にも現れている。ベル以外の4人はこの世にいないが、こうした時空を超えた交信は、コロナ以前から連綿と行われてきた大切な遠隔作業だ。 コロナ禍で中止されていた佐倉駅からの送迎バスや東京駅からの高速バスの運行がようやく再開された。自然豊かな美術館へ小さな旅に出よう。

20/11/1(日)

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