ピアニストの伊藤恵さんがここ数年、この日に開催している「春をはこぶコンサート」。思えば2年前、ブラームスの間奏曲Op.117に始まりベートーヴェンの最後のピアノ・ソナタ32番で閉じられたあの公演が、私にとって平成最後のコンサートとなりました。そのベートーヴェンの美しかったこと。 ベートーヴェン生誕250年だった昨年も、本来は同じ日にオール・ベートヴェン・プログラムによるリサイタルが予定されていましたが、コロナの影響で中止に…。 待ちに待った今年の公演では、昨年予定されていたベートーヴェンのピアノ・ソナタ第14番「月光」、第28番と、伊藤さんが得意とするシューベルトから、楽興の時D780が演奏されます。 ドイツ、オーストリアで学んだ伊藤さんですが、ベートーヴェンに対しては、逆に敬遠しているところがあったといいます。その畏怖する想いを乗り越えて奏でるベートーヴェン。じっくり味わいたいです。

21/4/21(水)