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渡辺 祥子
映画評論家
ロケットマン
19/8/23(金)
TOHOシネマズ 日比谷
タロン・エガートンに惚れ直した。美声で歌は圧巻。決して美形ではないエルトン・ジョンに足りない部分を愛嬌のある持ち味で補い、沢山のヒット曲の中でイキイキと彼の人生を生きている。そして17歳のときゲイで20歳のエルトン・ジョンに出会って生涯の友になる作詞のバーニー・トービン(ジェイミー・ベル)との気分の良い友情。「僕はゲイじゃない」と彼の愛を拒むシーンもさりげなく、ゲイのマネージャーとエルトンの関係は深追いせず、総てをあっさり認めることで違和感を残さない。が、そこに沈む言いようのない孤独がこの映画に魅力的な陰影を与えているのはデクスター・フレッチャー監督のゲイに対するやさしく穏やかな眼差しのせいだろう。
19/8/19(月)