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水先案内人のおすすめ

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時代劇研究家ですが趣味は洋画観賞。見知らぬ世界に惹かれます。

春日 太一

映画史・時代劇研究家

燃ゆる女の肖像

美しい調和のとれた作品だ。 舞台は18世紀のフランス。画家のマリアンヌがブルターニュの孤島を訪れるところから物語は始まる。ミラノでの縁談があるエロイーズの肖像画を描く依頼を貴婦人から受けたためだ。 だがエロイーズは縁談を拒んでおり、マリアンヌの作業は一筋縄ではいかないことに。 画を描くという過程を通して深まっていく両者の感情が、丁寧な心理描写とワンカットたりとも隙のない構成で綴られ、観ている側にもふたりの過ごす時間と空間が愛しく感じられてくる。 荒々しい風景と繊細な心情、閉ざされた空間と解き放たれる感情、淡々と高まる緊張感と突発的な行動、たくましく利発的な人間像とひとつ間違えれば簡単に壊れそうな関係性、時間が経つごとに高まる幸福感と迫りくる終焉……。 幾重もの連なるコントラストを映し出す映像が、この愛の物語の尊さと儚さを伝えていた。

20/12/2(水)

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