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日本の舞台のほか韓国演劇、フィギュアスケートにも関心あり

上野 紀子

演劇ライター

こまつ座『日の浦姫物語』

この戯曲は、井上ひさしさんが文学座と杉村春子さんのために書き下ろしたものなんですね。「誰が選んでくれたのでもない……」という『女の一生』(森本薫)の名台詞がちょろりと入っていたりするのも井上さんのお遊びなのね……と、文学座に縁のある人ならすぐにピンとくるわけです。その文学座の初演が1978年。それから30年以上も経って蜷川幸雄さんが演出し(2012年)、筆者の知る限り今回がたぶん3度目の上演では。双子の兄妹の過ちによって男子が生まれ、その男子がまた恐ろしくも実の母と……というオイディプスみたいなお話だけど、けっして暗〜い重〜い舞台ではありません。そこはさすがの井上戯曲、人間がいかに反省しようとも繰り返される因果な生き様を、弾けた大絵巻のようにして言葉巧みに描き出し、笑い、泣かせてくれるのです。双子の妹、日の浦姫役は朝海ひかるさん、そして双子の兄と後に生まれる男子の二役を演じるのが平埜生成さん。その「日の浦姫物語」を語り歩く“説教聖”と“三味線弾きの女”に、辻萬長さんと毬谷友子さんが扮します。鵜山仁さんが演出を担い、そのほかのキャスト12名全員を文学座の精鋭で揃えたところもヒジョーに意味深く感じてしまいます。メタ構造の妙味にもご注目あれ。

19/9/5(木)

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