疫病感染の人々が権力者に切り捨てられる？……なんかソレってタイムリーすぎない？？…… そんなオープニングから始まる本作は、韓国発のクリーチャー映画だ。 16世紀の朝鮮王朝時代に「遭うと酷い疫病にかかってエグイ死にざまキメちゃうってよ。」とその存在がささやかれていた古の怪物譚をモデルに作られたそうだが、韓国のクリーチャー映画って『グエムル』『第七鉱区』『D-WARS』『オクジャ』と、重さもデカさもボリューミーな怪物が目立つ。本作に登場する怪物も然りだが、登場するまでの“チラ見せテク”で相手を延々とジレジレさせない潔さは韓国クリーチャー映画の良いところだ。加えて“痛ましい描写”が得意な韓国映画、怪物と韓国映画との相性はすこぶる良いだろうから、どんどんクリーチャー映画を生み出して欲しいところ。 「歴史を通して、災禍や苦難から何度も国をよみがえらせてきたのは、政治家でも軍事指導者でもなく民衆なのだ。」と本作を手掛けたホ・ジョンホ監督は言うが、この災禍や苦難の象徴こそが怪物。“新型肺炎”という名の怪物に、この国はどう戦えるだろう。

20/3/10(火)