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アートのみかた

村田 真

美術ジャーナリスト

四國五郎展

敗戦後シベリアで3年間の抑留生活を体験した四國の絵画、スケッチ、絵本などを展示。シベリアからの帰国後は広島に住み、平和のメッセージを描き続けたが、抑留体験を描くようになったのは、1991年と94年、シベリアへの墓参りと慰霊の旅をしてからのこと。同じくシベリアに送られた香月泰男も、その体験を絵にするのは帰国後何年も経ってからだった。言語に絶する過酷な体験だけに、絵に昇華させるには時間が必要だったのだろう。四國の絵は当時の記憶を元に描いたものだが、半世紀近くもたっているためどこか幻想的な光景になっている。当時の自分たちの隊列を、いまの自分がスケッチしている絵もあって興味をそそられる。

19/11/9(土)

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