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歯に衣着せない辛口コメントが人気のクラシック業界ご意見番

東条 碩夫

音楽評論家

オペラ夏の祭典2019-20 Japan⇔Tokyo⇔World『ニュルンベルクのマイスタージンガー』

16年ぶりの舞台上演、『ニュルンベルクのマイスタージンガー』       後期ロマン派の大作曲家ワーグナーの楽劇『ニュルンベルクのマイスタージンガー』は、彼の壮大で精緻な作曲手法の粋を集めた、スケールの大きな、明るい雰囲気満載の傑作だ。物語は中世ドイツに栄えた歌芸術をテーマにしたもので、「マイスタージンガー」とは、靴屋・仕立屋・パン屋など、手に職を持ち、かつ歌芸術の奥義を極めた「親方」をさす。 この「偉大な芸術」のマンネリに挑む若い親方志望の騎士ワルター、それを支援するリーダー的な親方ハンス・ザックス、嫉妬に燃えてワルターを妨害する堅物の書記ベックメッサーらが織りなす舞台が楽しい。今回は、物語の舞台を現代に移し、ザックスをある歌劇場の芸術監督に設定した読み替え演出が、新鮮な面白さを呼ぶだろう。 大野和士が東京都交響楽団を指揮、ザックスをトーマス・ヨハネス・マイヤー、ワルターをノルベルト・エルンスト、ベックメッサーをアドリアン・エレートら、練達の名歌手たちが参加する今回の上演。日本での全曲演奏は2013年の「東京・春・音楽祭」以来だが、舞台上演としては2005年に東京二期会とミュンヘン・オペラとが相次いで上演して以来、実に16年ぶりになる。それだけレアな超大作、見逃すのはもったいない。

21/8/1(日)

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