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ドキュメンタリーの面白さを知ると映画の見方が変わる

村山 匡一郎

映画評論家、大学講師

つつんで、ひらいて

本好きな人であれば、当然ながら菊地信義の名前を知っているはずだ。書物の装幀家、つまりブックデザイナーであり、手がけた本が1万5千冊という日本を代表する装幀家である。そんな菊地信義の仕事に、昨年『夜明け』で監督デビューした広瀬奈々子がカメラを向けたドキュメンタリーだ。作家や編集者たちへのインタビュー、監督自身の問いかけや説明字幕を織り込みながら、印刷や製本の現場など7章仕立てで構成。装幀は小説の「体」であり、デザインは設計ではなく「こさえること」だという菊地の言葉を引き出しつつ、手作業で装幀を考える菊地の姿を追うが、菊地本人が撮られていることをかなり意識していることを含めて面白い。その柔らかく膨らみながら展開する映像世界は実に好感が持てる。

19/12/10(火)

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