映画ファンであればあるほど、いや、さほど映画に興味がない人でも、これを観れば、俄然映画に興味が湧くこと間違いなし。＜音楽や声や効果音など、映画を彩る様々な”音”は、どのように作られ、どういった効果を生んでいるのか＞という宣伝コピー通り、数々の名作を手がけてきた音響技術者たちへのインタビューを軸に、知られざるエピソードが次から次へと明かされる。 何より凄いのは、膨大な数の映画の名シーンが惜しみなく引用されていることだ。第1回アカデミー作品賞受賞作『つばさ』から『市民ケーン』『鳥』『ゴッドファーザー』『スター・ウォーズ』『ジュラシック・パーク』などなど。ルーカスやスピルバーグらがインタビューに登場しているので、彼らの尽力もあったのだろうが、これは普通なら、天文学的著作権料が発生したはず。贅沢極まる映画愛に充ちた1本だ。

20/8/29(土)