評論家や専門家等、エンタメの目利き&ツウが
いまみるべき1本を毎日お届け!
ドキュメンタリーの面白さを知ると映画の見方が変わる
村山 匡一郎
映画評論家、大学講師
リアム・ギャラガー:アズ・イット・ワズ
20/9/25(金)
TOHOシネマズ シャンテ
このところミュージシャンをはじめ音楽関連のドキュメンタリーの公開が目立ち、音楽ファンには堪らないことだろう。本作もイギリスのロックバンド「オアシス」のシンガー、リアム・ギャラガーの半生に焦点を当てたものだ。1990年代から活躍してきた「オアシス」が突然解散したのは2009年のこと。パリ公演でリアムと兄のノエルが喧嘩して中止となり、ノエルが脱退したことによる。映画は冒頭で解散時を描き出し、その後のリアムの苦悩の日々を追いかけるが、家族を含めた多くの人々の証言を交えながら、リアムの人間としての生きざまが描かれる。ロックスターであろうとなかろうと、どんな人生にも悲喜劇のドラマがある。そうであるからこそ、リアムの挫折や苦悩は見るものの心に切なく響いてくる。
20/9/23(水)