Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

水先案内人のおすすめ

評論家や専門家等、エンタメの目利き&ツウが
いまみるべき1本を毎日お届け!

いつも劇団四季と宝塚と歌舞伎を上演中の劇場にいます

原田 順子

演劇ライター

吉例顔見世大歌舞伎

11月の歌舞伎座は、来年1年の顔ぶれを披露するという意味の、恒例「顔見世」公演です。中でもぜひ観なければと思っているのが、夜の部の『菊畑』。『鬼一法眼三略巻』の三段目に当たり、四段目の『一條大蔵譚』と並んで、たびたび上演される演目ですが、紅葉が映える庭に大輪の菊が咲き誇る舞台美術の美しさは、今の季節にぴったりですね。 今回は、端正な美貌で人気の中村梅丸が、中村梅玉の部屋子から養子に入って、初代中村莟玉(かんぎょく)を名乗ることになった披露興行でもあり、師匠の奴智恵内で、奴虎蔵実は源牛若丸を務めます。 以前、中村歌昇と種之助兄弟の「双蝶会」で演じた『車引』の桜丸が、むきみ隈がよく似合って美しかったので、これを機に、立ち役もどんどん演じてほしい花形です。 他に夜の部では、池波正太郎書き下ろしの『市松小僧の女』が、42年ぶりに上演されるそうで、どんな話なのか観たいと思っています。女だてらに剣術を習い、男のような振る舞いをしているけれど、心根は優しいお千代役は中村時蔵。「嫗山姥」の八重桐や、「毛谷村」のお園など、気丈で立ち回りもする女性を当たり役にしている人なので、このお千代もとても楽しみです。

19/10/26(土)

アプリで読む