Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

水先案内人のおすすめ

評論家や専門家等、エンタメの目利き&ツウが
いまみるべき1本を毎日お届け!

日本で(多分)一番多くの映画を観る(年間800本!=新作、旧作も入れると…)映画評論家

野村 正昭

映画評論家

なんのちゃんの第二次世界大戦

緒方明監督に師事し、瀧本智行、熊切和嘉、入江悠監督に助監督として就いた河合健監督の劇場用映画デビュー作だが、題名を見ただけでは、どんな映画なのか分からず、それが逆に興味をかきたてられる。舞台は架空の街、関谷市。市長の清水昭雄(吹越満)は、太平洋戦争の平和記念館設立を目指して奔走しているが、そこに一通の怪文書が届く。「平和記念館設立を中止せよ。私は清水正一を許さない」。正一は雄の祖父であり、怪文書を送りつけてきたのは、街で石材店を営むBC級戦犯遺族の南野一家。そこから始まる市長vs南野家の攻防劇が、意外な形で展開する。 淡路島でオールロケされた、この映画は安直な反戦ドラマに陥らず、戦争への距離感を率直に盛り込み、現代の視点から描いた異色の作品として見応えがある。いや、異色ではなく、これこそ正統な戦争 へのアプローチか。

21/4/30(金)

アプリで読む