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水先案内人のおすすめ

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エンタテインメント性の強い外国映画や日本映画名作上映も

植草 信和

1949年生まれ フリー編集者(元キネマ旬報編集長)

声優夫婦の甘くない生活

風変わりな父子の共同生活をほろ苦いユーモアをまじえて描いた『靴ひも』に続く、今年二作目のイスラエル映画『声優夫婦の甘くない生活』。普段あまり見聞する機会がないイスラエルの市民生活が赤裸々に描かれていて、興味津々。更に主人公が尊敬してやまないフェデリコ・フェリーニ作品や『クレイマー、クレイマー』など、名作の吹き替えシーン(ロシア語に!)もあり、シネフィルにはお得感満載の映画になっている。 主人公のヴィクトルとラヤは、ソ連に輸入された欧米映画の吹き替えで活躍したユダヤ人“声優夫婦”。ソ連崩壊直前の1990年、希望に燃えてソ連からイスラエルに移住するが、新天地では声優の仕事がないという死活的現実に直面する。生活のためにヴィクトルは違法な海賊レンタルビデオ店で吹き替えの仕事に、ラヤはテレフォンセックスの仕事に就く。まさかこんなはずではなかった新天地イスラエル!  何ともほろ苦い現実に翻弄されて、いつしか夫婦間に亀裂が広がっていく。 監督を務めたエフゲニー・ルーマン自身の旧ソ連圏から移民した経験をもとに、7年の歳月をかけて脚本を作り上げたという。ずっと誰かの声を演じてきた吹き替え“声優夫婦”が“甘くない生活”を通して、お互いがかけがえのない存在であることを思い知る愛の物語だ。どこかアキ・カウリスマキ作品を感じさせる味わいが嬉しい。

20/12/17(木)

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