妊娠した17歳の少女がイトコで親友の少女と共に中絶の為にペンシルベニアから長距離バスを乗り継いでニューヨークへ行き、目的を果たす。ただそれだけの話だが、そこに妊娠した少女のために援助する組織、人々がいて中絶に関する情報が加わり、彼女の周囲には何人かの男がいる。そして肝心なのは少女の不安と揺れ動く気持ちを決して逃すまいと目を凝らす監督の視線とカメラだ。友だちもいないし、親にも心を開かない。淡々と妊娠中絶を決めてそのために唯一信頼できる従妹のスカイラーと共にバスに乗る。そんな少女オータム役を演じるシドニー・フラニガンの硬い表情と心の動き。妊娠させた相手が語られていないが、そんなことは問題ではない、とはっきりわかる。

21/7/19(月)