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エンタテインメント性の強い外国映画や日本映画名作上映も

植草 信和

1949年生まれ フリー編集者(元キネマ旬報編集長)

没後50年 成瀬巳喜男の世界

『鶴八鶴次郎』(11/16〜11/22) 神保町シアター特集「没後50年 成瀬巳喜男の世界」(11/9〜12/20)で上映。 大正時代末期の東京。新内節の人気コンビ鶴八(山田五十鈴)と鶴次郎(長谷川一夫)は、幼い頃から一緒に舞台に上がっていた芸人同士。ふたり一組で舞台に上り、鶴八の三味線に合わせて鶴次郎が新内節を語る。だが名人気質のふたり、普段は仲よく夫婦約束までしているのに芸をめぐっての喧嘩となると、頑固で壮烈だ。 お互いを認めつつも素直にそれを口に出せないふたりに、「好きなら素直になれよ!」「いい大人なのにいつまでも十代の青春してるんじゃねえよ!」、と叫びたくなってしまう。それほど見る者が心情を仮託したくなる、鶴八と鶴次郎は魅力的で愛おしいカップルなのだ。 喧嘩しながらも芸道と恋愛の葛藤を描いた本作は、成瀬己喜男監督が戦時下に作った『旅役者』『歌行燈』『芝居道』など"芸道もの"ジャンルの一本で、その最高峰といっていい作品。 「戦中戦後にスランプに陥り、『めし』を契機に復活を果たした」というのが成瀬作品の系統的評価だが、『鶴八鶴次郎』の素晴らしい出来栄えに接すると、どうもそれが眉唾に思えてしまう。 原作は川口松太郎の同名小説(第一回直木賞受賞作)とクレジットされているが、その小説の母体となっているのはアメリカ映画『ボレロ』(ウェズリー・ラグルズ監督/1934年)であるらしい。男女のダンサーが主人公のその映画を見ていない(見ることができない)ので、確証がもてないのだが。

19/11/14(木)

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