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水先案内人のおすすめ

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邦画も洋画もミーハーに、心理を探る作品が好み

伊藤 さとり

俳優や監督との対談番組を多数、映画パーソナリティ

ドリームランド

テキサスの空の変化を映し出す画。それは17歳の青年の心が変化を求めていることを意味する。そこに突如現れる彼の大好きな物語の登場人物のような女性。「あなたしか頼る人がいない」。この言葉から“ストックホルム症候群”に陥る若者と指名手配中の美しい女性との関係が親密なものへと変化していきます。そして追い詰められる若者の心を映し出すかのように近づいてくる巨大な砂嵐。 主演のフィン・コールは若かりし頃のクリスチャン・スレーターみたいだし、物語の舞台は1930年代だけど、まるで片想いの『トゥルー・ロマンス』みたいだとちょっと心が躍る。 年上の危険な女性に憧れる男の子の物語って『卒業白書』のトム・クルーズみたいにSEXのことで頭がいっぱいになるのかと思いきや、やけに純粋。そこはやっぱり年上からのお誘いだよなと納得しながら、面倒臭いお年頃の17歳の対応がまた可愛い。 マーゴット・ロビーが惚れ込みプロデューサーまで買って出たオリジナル脚本の魅力は、大人の階段を上る途中の青年と、心の声に正直過ぎる女性の心の迷いやストレートな感情を“ありのまま”に紡ぎ出したところなんじゃなかろうか。現代じゃないからどこかロマンチックでメランコリックな逃避行。それもまた映画の魔法。

21/3/19(金)

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